島立て学校第2回/第3回 講座
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話題騒然、「島立て学校」の報告です。
宣伝の甲斐あって、第1回目の講座には多くの人が集まってくれました。
そして迎えた第2回講座。沖縄国際大学教授の狩俣恵一先生の「竹富の生活と車による観光」
です。
1回目よりは少ないんじゃないかと少しだけドキドキして待っていると、
8時を回った辺りから切れ目なくやってきます。
結局第1回目より多い、総勢37名!!
「申し込みしてないんだけど…」と言いながら、噂を聞きつけて参加してくれる人も増えました。うれしい限りです。
講座では、竹富島の伝統と進化についてお話していただきました。
積み重ねられてきた伝統の厚みとそれらを重んじる気質、そして新しいものを受け入れ、その恩恵を受けようとする意識が竹富にはあるということ。いかにそれら二つの整合性を持たせるか、ということが今後の課題であり、観光のキーポイントになるということでした。
現状として、1時間や2時間で島を巡って帰ろうというツアーやフリーのお客さんもいる中で、
島の中にゆったりと流れる時間を観光資源にしていくことが、離島ブームが去った後も観光地として発展する近道ではないかという話題も出ました。
ほとんどの皆さんが観光関係者でしたので、質問をしたり、意見交換が行われたりと活発な講座となりました!
第3回目は「伝説の力と島の真心」です。
前日のお話でも出てきた、ゆとりある時間。
昔の人はその時間のなかで、語り合うことを何よりも楽しんできました。
世間話や昔話、伝説、不思議な話…
それのどれが本当でどれが作り話なのかわかりませんが、
それらを信じ、それらに心動かされて、祭事や行事を何百年も行ってきたことはまぎれもない
事実で、作り話でも伝説でも、わくわくするお話は人の心を動かす力があるのです。
テードゥンヒト(竹富の人)は話し上手といいます。
こういったお話を人から人へおもしろおかしく伝えていったからこそ、技術が身に付いたのでしょう。
今こそ、無駄話の文化の復活を!!
この「島立て学校」がそういう無駄話の場になったらいいなあと思います。
そして参加者の顔を見ていると、それもまんざら理想ではない気もするのです。
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「島立て学校」開校式&第1回講座
以前このブログでもお伝えした「島立て学校」が昨日開講いたしました!!
参加者総数はなんと33名。
予想以上の数に、思わず顔がほころんでしまいました。
第1回目は九州大学教授西山徳明先生の講座、「竹富島の集落はなぜ美しいか」でした。
12世紀頃から同じ場所に人が住み続けてきた奇跡。
貧しさの中でも工夫をこらした、こだわりある家づくり。
決してまっすぐ伸びることのない道。
マニュアルの数値や決まり事よりも、自分たちの豊かな精神文化に従うこと。
それらの様々な要因が絡み合い、個性となって竹富島を作っているのだそうです。
パターンがあるから、色々なルールがあるから美しいという訳ではなく、
自分たちの環境や考え、祖先からの教えを何よりも大切に考えた作りだからこそ個性的で、
美しいのだと力説されていたのが印象的でした。
これは、現代においても見直すべき問題を含んでいます。
今は、町並みを守るための竹富島勲章があり、マニュアルがあり、他にも守るべきことがたくさんあります。
しかしただ、マニュアルを守りさえすればいいということでもありません。
竹富島の先人たちがそうしていたように、精神文化に基づいたまちなみづくりが美しさを保つ秘訣なのではないかと思います。
そして、インタープリテーションについてひとつ。
「話す人自身がおもしろがっているだけで、聞く人も興味が湧く。」
楽しそうに話される姿に惹き付けられてしまいました。
とても元気づけられるすばらしい講義でした。
西山先生、ありがとうございました!
さて次回の「島立て学校」は…
竹富島出身で、現沖縄国際大学教授の狩俣恵一先生を迎えての講義です。
5月25日、26日の二日間に渡ってお送りします。
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「島立て学校」開催します
いよいよ、今年度のプロジェクトの目玉「島立て学校」が始まります。
この「島立て学校」は文化庁の助成を受け、
インタープリテーションという技法を学び、竹富島の未来を担う、インタープリターを養成しようというものです。
インタープリターとは簡単にいえば「解説員」「翻訳者」などと訳されますが、
単なる情報伝達ではなく、情報に基づいて、新たな世界を開いて見せる(啓発する)ことであり、その働きかけの方法のことを言います。
つまり、いくつもの視点から様々な情報を駆使し、竹富島の良さを実感させたり、
もっと知りたいと思わせるような活動のことなのです。
「島立て学校」では、このインタープリテーションの技法と、竹富島の文化遺産についての講座をおこないます。
インタープリテーションの講座では、参加者の緊張をほぐす方法やプログラムの組み方、インタープリテーションの考え方などを学びます。
文化遺産に関する講座ではそれぞれの専門家を招いて、その体験に基づく知識を、追体験する形で学んでいこうと考えています。島の識者であるお年寄りを講師に招くことで、文化遺産の継承という効果も期待できます。
もちろん、そのすべての講座は、一方的な情報伝達や堅いイメージの難しい学問ではなく、自ら楽しみを発見しながら学ぼうというスタンスを大切にしています。
受講対象は幅広く、学ぼうという意欲のある方ならどなたでも参加できます。(ただし島内の方のみ)
そして最終的には、1年かけて身につけたインタープリテーションの技法の総まとめとして、こどもたちへ文化遺産のおもしろさや豊かさを伝えるための学習会を開催する予定です。
全15回の講座に多くの人が参加してくれるのを期待しています。
そして今、事務局ではそのためにどういう講座にするべきか頭をひねっています。
みなさんが参加したくなるようなグッズ(?)も準備しています。↓↓
1年がかりのプロジェクトですから、みなさんの意見を取り入れながら、
1回ごとに学習環境がより良くなるように努めていきたいと思っています。
「島立て学校」今後の決定スケジュール
5月20日(土) 開校式&第1回講座「まちなみと集落」(西山徳明氏:九州大学教授)
5月25日(木) 第2回講座「竹富島の生活と車による観光」(狩俣恵一氏:沖縄国際大学教授)
5月26日(金) 第3回講座「伝説の力と島の真心」(狩俣恵一氏:沖縄国際大学教授)
6月7…
NPOたきどぅん発行本が続々完成!!
このブログでもお伝えしていたプロジェクト、「テードゥン昔ムヌンガタイ」と,
同時進行していた、日本旅行業協会(JATA)の助成を受けて、
竹富島の古謡の伝承と普及を目的としたプロジェクトの実施期間が無事終わり、
その成果物として絵本と古謡集が完成致しました!
どちらのプロジェクトも、
無形文化遺産の継承と記録を目的としており、これらの成果物は記録集として
大きな役割を果たすことでしょう。
絵本は学校や参加してくれた子ども達、プロジェクトチームのスタッフに、
古謡集は竹富島の全戸に1冊ずつ配布予定です。
これがただの記録にとどまらず、
世代間のコミュニケーションツールとして、または、
それぞれの意見をぶつけあう活発な意見交換のきっかけとして機能してくれることを
心から願っています。
今後、NPOたきどぅんでは絵本、古謡集ともに増刷・販売なども検討中です。
みなさまのご意見を是非お聞かせください☆
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旧与那国家 落成式
竹富町の文化財、旧与那国家住宅の修理が完成し、落成式が行われました。
当日は、神司の願いが朝から行われ、与那国家で午後から行われた式典では、落成の宴の余興として、その家の幸福、健康を祈る狂言、ユシトゥンガナシが披露されました。
その後は場所をまちなみ館に移し、祝賀会が開催されました。
旧与那国住宅は、竹富島の伝統的な民家の形式(フーヤ、トーラ、オーシなど)をそのまま残し、昔の暮らしを伺い知る事ができます。
今後は、公開家屋や体験プログラムの開催場所としての可能性が無限に広がっています。
旧与那国家住宅が活用できるようになれば、「追体験」を通して身体感覚もともない、文化遺産の継承や普及もますます活発になるのではないでしょうか。
「百聞は一見に如かず」。
これからの活動をお楽しみに!
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旧与那国家住宅グック積み
すでに母屋(フーヤ)の修理が終わっている、竹富町の文化財に指定されている旧与那国家住宅。
今日からは周りを取り囲む石垣(グック)の修理がはじまりました!
数名のグック積み名人を中心に、島の男性陣に協力を仰いでの大仕事です。
自然の形をできるだけ生かす野面積み。
個性的ないくつものサンゴ石を積み重ねてひとつの形を作っていくグック積みには、島での生き方が映し出されているような気がします。
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なごみの塔が登録有形文化財に!!
竹富島の観光の名所である「なごみの塔」が、国の登録有形文化財となりました。
登録制度は、より多種多様で多くの価値あるものを後世に継承するために平成8年10月1日の文化財保護法の改正により導入された制度で、緩やかな保護措置の中で活用を図ることが出来ます。竹富島では9月にも夕日の名所「西桟橋」も登録されていて、今回で2件目になります。
なごみの塔は1953年、赤山丘を清掃美化して島民の憩いの場として公園化した際に、島全体が眺望できるようにと、4.5メートルの鉄筋コンクリートの物見台を築いたということです。
こういう形で公に認められるものが増えてくると、それらに関する歴史やこれまでそれらを守り続けてきた生活様式に誇りが持てるとともに、今後も保全し活用しようという意識が強まります。
数多く存在する文化遺産を意識的に保存、継承し活用していこうとする気持ちが生まれることが、文化財法などの意義でもあると思います。
今や島のシンボルにもなっているなごみの塔。
登ると意外に高く、見晴らしは最高です。
階段は急なので、登る時には十分気をつけてくださいね。
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フニヤボ講座
「フニヤボ」って知ってますか?
短い棒と細長い棒をつなぎ合わせた素朴な道具です。
これは大豆の収穫の際、そのさやを取り除くために使われていました。
短いほうを持ち、長いほうをぐるぐる回して、ニーブと呼ばれる敷物に敷き詰めた大豆に振り落とすのです。
ニーブの両脇に4人ずつが並び、息を合わせて交互にまわします。
フニヤボを作ってきてくれた萬木国雄さんがお手本を見せてくれました。
長い棒をくるんと小気味よくまわす様を見ていると、楽しそうで、簡単そう。それを見ていたかわいい女の子も思わず挑戦です。
しかしこれが意外にむずかしい!
頭に当たったり、足に当たったり大変です。
フニアボはゆがふ館に展示しています。
挑戦したい方はスタッフまで!
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坊主墓の清掃
NPOの活動として、遺産管理があります。
今や忘れられ、消え入りそうな文化遺産、まだ見ぬ文化遺産を掘り起こし、マネジメントしていこうという目的があります。
これまでも何度か行ってきましたが、今回は「坊主墓」の清掃です。
一説によると坊主墓は、竹富島出身の西塘が首里での生活を終え、初の八重山統治
者として、竹富に戻った際に連れてきた妾の墓だとも、妻の墓、母親の墓だとも言われています。
坊主墓は、いよいよ明日に迫った「竹富島のオン(御嶽)をめぐる~その3・西塘編』(オンツアー)のコースにも含まれています。
これで安心して見学することができそうです!
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西桟橋が国の登録有形文化財に!
竹富島の夕日の名所としても知られる「西桟橋」が、国の登録有形文化財となりました。
登録制度は、より多種多様で多くの価値あるものを後世に継承するために平成8年10月1日の文化財保護法の改正により導入された制度で、緩やかな保護措置の中で活用を図ることが出来ます。
「西桟橋」は、かつて竹富島の人たちが、西表島で稲作を行っていたときの玄関口です。クリ舟に帆をかけての航海は、大変危険なものだったそうです。このように島の歴史に深く関わる文化遺産が文化財となったことはとても意義のあることで、NPOたきどぅんとしてもこれを有効に生かしていく活動を企画していく予定です。
この桟橋には島のお年寄りたちの想い出がいっぱい詰まっています。
その奥深さを知ることが出来れば、夕日の見え方も変わってくるかもしれませんね。
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