法政大学沖縄文化研究所連続講座

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8月4日に法政大学ボアソナードタワー706教室で開催された、 2007年度法政大学沖縄文化研究所連続講座を受講しました。 今回は5月から開講してきた講座の最終回にあたり、 次の3つの講座がありました。   ○ 永瀬克己 「沖縄の井泉と井戸の形態」   ○ 安江孝司 「沖縄織物の『系統と文化意義論』」   ○ 飯田泰三 「『もう一つのアジア』と日本文化」   どの講座も、時間と空間を広くとらえた、ボリュームたっぷりの内容。 それらをひとつひとつ竹富島に引き寄せて考えてみる必要を覚えました。 NPOたきどぅんでは、活動の一つとして、 「竹富島の井戸めぐり」ツアーの企画・実施、 古井戸「アーラカー」にポンプを設置するなどを行い、 竹富島の水とくらしにスポットをあててきました。 それだけに、永瀬氏の講座を、興味深く拝聴しました。 永瀬氏は建築学のアプローチにより、 沖縄各地の井戸の構造を具体的に示され、 そこから村の成立や井戸の聖性にまで話が及びました。 「竹富島の水とくらし」に注目した、 NPO活動の展開を考えるうえで、 大きな示唆を得た講座でした。 今後は、永瀬氏の方法から学んで、 井戸の構造を図面化したり、水質調査を行って、 古井戸の再活用を考えていきたいものです。(YI) …

2007.8.4 掲載記事

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~報道各紙によると~ 「環境省は3日、 レッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物リスト) の見直し結果を公表した。 記事よると、イリオモテヤマネコはこれまでの 絶滅危惧種IBから、最も絶滅の危険性が高い 絶滅危惧種IA類にランクが上がった。」 と掲載しています。 八重山においてはイリオモテヤマネコのほか、 コキクガシラコウモリが絶滅危惧2類から絶滅危惧1B類 とランクが上がっており、 沖縄本島においては、ジュゴンがIA類となっており、 絶滅が危惧されております。 レッドリストの詳細についてはこちらをご覧下さい。 (TA)   …

クミスクチンの刈り取り

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竹富島産100%クミスクチン茶『まんだらー茶』の刈り取りを取材(手伝い)してきました。 刈取り風景 クミスクチンの草  クミスクチンは刈取り後、真水で洗い、不純物を取り除いたのち2日間天日に干し、大型乾燥機にて乾燥させ、機械で裁断します。 収穫の時期のポイントは花が咲く前に刈り取ること。 花が咲いてしまうと、昆虫が花に集まり草を荒らしてしまうそうです。 ちなみに、『まんだらー茶』茶葉は「てーどぅんかりゆし館」の総合案内所で販売しており、ゆがふ館内の「ゆんたくコーナー」では飲むこともできます。 クミスクチンは、ウコン、グァバと並び沖縄の三大薬草として有名ですが、特筆すべき点は 1.血圧、血糖値を降下させる作用があり、糖尿病予防、  利尿作用の促進、腎臓の機能を高める効果があります。 2.中性脂肪の減少に効果があるとされています。 3.皮膚の健康促進に作用し、  脂症の肌を抑える効能があるとされています。  こうした“からだに優しい”お茶を飲み続けている  お陰で、長寿の島と呼ばれるようになったのですね…。  ちなみに『マンダラー』の意味ですが、竹富島  では97歳のお祝いのことを“マンダラー祝い”と  いいます。   みなさまも是非、健康・長寿にあやかりませんか! (TA)…

『八重山毎日新聞』2007.7.29 掲載

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エッセイに短歌を添えた、佐野滋氏の文章も、 『八重山毎日新聞』紙上では、お馴染みとなってきました。 今朝の9面には、随想「竹富島の夏景色」が掲載されています。 夏の日差し、白砂のきらめき、色とりどりの花…を 感じさせる文章にうっとりします。 また11面には、昨日(28日)行われた、竹富町繰り上げ投票についての 記事がありました。 投票率について、6年ぶりに70パーセント台を回復した、 今回の選挙において、竹富町の地域別では、 竹富島がもっとも投票率が高く、88.85パーセントであったことが 報じられています。 …

豊年祭(プイ)

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いよいよ27日・28日は豊年祭です。 27日は各御嶽の氏子が集まり、豊年の御礼と 来年の豊作を祈願する “オンプイ” 28日は神司、公民館執行部が「世願い」を行なう “トゥヌイプイ”です。 神司、公民館執行部及び有志は、豊年祭の道歌を 謡い、神々に感謝の意を表します。 「豊年祭の道歌」は、西塘様が作り皆に指導したと 伝えられています。また、歌詞は口承による伝承につき、 個人により若干異なっている点について、古くから謡い 継がれてきたことを実感させます。 「豊年祭の道歌」 1 たいら どどろしぬ※1   みゆとぅひじゃーぬ※2 うてぃみじ   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ   ハリ うりたゆるまぎる   いるどぅまさる ハーリーヌ   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ 2 あさとはちまんぬ   まつだぎょる※3 ぐしく   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ   ハリ うりまきゅる ぐとぅに   ばんぞ まかしたぼり   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ 3 いんくくじ うじょうぬ   うにぶときまいや※4   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ   ハリ ばんぞ ゆくしすや   みはてぃ うどぅしたぼり   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ 4 まちゅぎたる きゆぬひ   にがゆたる くがにひ   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ   ハリ きゆの ゆかるひに   はじりあぎしたぼり   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ 5 うむたこと かなしょうり   にごたすに すなしょうーり   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ   はり かずいちくさらん     はまぬ まさご※5 ハーリーヌ   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ 6 ○○うたきぬ※6   かみがなしまいや   ヒーヤ シューラ ジャンナーヨ   はり ばんくくるあらぬ   きむくくる あらぬ   うまもりしたぼーり   うゆるしたぼり ● NPOたきどぅん発行/『竹富島古謡集…

文化庁次長の来島

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文化庁次長 高塩 至氏が竹富島を訪れました! 有志が桟橋に繰り出し、「トンチャーマ」でお出迎えです。 文化庁は、竹富島の町並み保存運動から旧与那国家の修復まで、現在の竹富島の町並みをずっと見守り続けてくれた存在であり、また、島の素晴らしさを認めてくれた恩人でもあります。   現在、文化庁から選定・指定を受けているものは… ●竹富島の種子取 (国重要無形民俗文化財指定 1977年) ●竹富島の町並み (重要伝統的建造物群保存地区選定 1978年) ●西桟橋 (国登録有形文化財指定 2005年) ●なごみの塔 (国登録有形文化財指定 2006年) ●喜宝院蒐集館収集品「竹富島の生活用具842点」 (国登録有形民俗文化財指定 2007年) ●小城盛(クックムイ) (国史跡指定「先島諸島火番盛」 2007年) 高塩氏は、ゆがふ館で“オーリトーリたきどぅん”をご覧いただいたあと、町指定文化財「旧与那国家」「西桟橋」「なごみの塔」などを視察されました。 (TA)…

真栄(マサカイ)

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「真栄節」の主人公である、真栄は実在の人物であり、1701年、大山家の次男として生まれたと伝えられています。 1719年には、分家し小山家を建て小山家の祖となります。分家の際、大山家より国仲原の長山畠一筆を譲り受けますが、当時の人頭税では税を納めるどころか、食べるのもままなりません。 そこで、真栄は思案を巡らせ、一念発起竹富島を離れ、西表島仲間(現在の大富付近)へ渡り大原田の港口を開田し稲作に従事します。 当時は個人が自由に移住や転居ができない時代であり、かつ人頭税が生活に大きくのしかかっていました。 真栄は、税を納めるために荒地を開墾するなどの精神的・身体的に苦痛が伴うことを自らで選び行動しました。この行為から、真栄は島人から称えられ、「真栄節」として今日まで名が残されています。 「真栄節」 1 まりや たきどぅん  (竹富島に生れて)    すだてぃや なかまぬ まさかい  (西表島仲間村で 生活した 真栄)   ウヤキ ヨーヌ 世バ 直レ  (豊カナ 世ニ 直レ) 2 いなきゃぬゆい なぐぬ すみゃんどぅ  (何故 どうしたわけで)   なかま くいおたる  (仲間村に 移住されたのですか)   ウヤキ ヨーヌ 世バ 直レ  (豊カナ 世ニ 直レ) 3 うはらだぬ みなぐちぬ  (大原の田 水口の田が)   ゆやんどぅ   (欲しくて 移住しました)   ウヤキ ヨーヌ 世バ 直レ  (豊カナ 世ニ 直レ) 4 むちぐみぬ しるぐみぬ  (餅米が 白米が)   うり ふしゃんどぅ  (これが 欲しくて移住しました)   ウヤキ ヨーヌ 世バ 直レ    (豊カナ 世ニ 直レ) ● 上勢頭 亨 著/『竹富島誌…

ミーナライ・シキナライの会 7月24日

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7月24日のミーナライ・シキナライの会の出席者は11名。 そのうち二人は、オブザーバーとして、 「素足で感じる竹富島」ツアーに参加された方です。 関心を持ってくださり、ありがとうございました。 読んだ資料は、テキスト(『竹富町史 第10巻資料編 近代1』)収録の、 「間切島会ニ関スル書類」の通し番号43から48まで。 そのなかの47番の資料は、 明治33(1900)年に「西竹富村」を村立てしようというもの。 つまり、竹富島の人々は、由布島にある「原屋」(畑小屋)16軒を、 西表島の野原村に移して、3カ年かけて西竹富村をつくろうというのです。 さて、その結末はいかに。 今後資料を読み進めるのが楽しみです。 …

『八重山毎日新聞』2007.7.26掲載記事

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「こぼし子ども会夏祭り 中体連出場選手を激励」(竹富通信員)  竹富こぼし子ども会(仲村渠昌彰会長)と子ども育成会(内盛正亀会長)は夏休み初日の20日、夏祭りと中体連県大会に出場する選手の壮行会を催した。  30年前の「こぼし読書会」の結成以来の恒例行事。昨年後半には読書会活動で野間読書推進賞を受賞、さらにソニー賞を8年連続受賞するなど全国に誇れる活動を展開しており、今年の中体連でも、バトミントンの個人戦ダブルスでみごと県大会出場を果たした。  このような活動を支えてくれた地域の人たちを招待しての大きな夏祭りとなった。  夕刻にコンドイ浜に保育所20人、小中学生34人と保護者、関係者が集まり、神司が夏休みの安全と健康祈願した。  祈願の後は、夕日を浴びて宝探しやビーチサッカーに興じ、その間に父親たちが和気あいあいとバーベキューづくりに腕をふるった。  日が暮れてからは花火大会、星空観察。そして中体連県大会に出場する前盛翔君と宇根東杜君の壮行会が行われた。  小規模校の宿命で団体戦には参加できなかったが、少ない生徒を先輩や移住してきた経験者がしっかり鍛えたおかげて、今年も県大会に出場することになった。  2人は「相手は強敵と決まったが、ひるむことなく、胸を借りるつもりで頑張ってきます」と抱負を述べ、先輩の激励の言葉や熱いエールが浜辺に広がった。 …

ちょっとした休憩所

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フクギ(福木)オトギリソウ科フクギ属 実は8月~9月頃に黄色く熟します。 材は緻密で白く硬く建築材としても使用されます。 なお、樹皮は黄色の染料として用いられています。 沖縄の島々でみることができる樹木、フクギは防風・防火という重要な役割を担っています。 沿海を航海する折、島々に黒っぽいほど緑の濃いフクギ並木を見ると、集落が近くにあると判断したそうです。 連日厳しい暑さが続く夏の日々では、私たちのちょっとした休憩所の役割も果たしてくれます。 樹齢数百年と云われる写真のフクギ。 少しのんびりと木々の下で休みながら、 遥か昔の竹富島について、 想いを馳せるのはいかがでしょうか。  (TA)…