運動会の話

6月・・・と言えば運動会。え?運動会って秋のイメージ??と思っている皆さん。八重山の秋は台風が多くて、ひどい年だと毎週のように天気が悪くなり、運動会どころじゃなくなります。そこで、台風が来る前に運動会!という学校も少なくありません。また、秋には島の祭事(結願祭、種子取祭など)に重なることが多くなるのも理由のひとつです。しかし入学してから2か月の新一年生には大変過酷な練習期間と試練となります。それを乗り越え、運動会当日お兄さんやお姉さんに混ざって、堂々と入場行進している一年生。つい、この間まで保育所に通っていたあの子が…(涙)と親でなくてもジンときます。竹富小中学校には現在38人生徒と先生方が20人。全員が一丸となって運動会を開催する訳ですが、中心となって動く中学生は、座っている時間などほぼありません。自分達の出場種目はもちろん、他の学年がでる種目の準備やナレーション、下級生たちを整列させたり、入退場の先導をしたりと大忙しです。運動会当日を迎えるまでも、競技や演舞の練習、看板の設置などなどやること盛りだくさんです。一生懸命準備してきた運動会を是非応援しようと、地域の人たちも運動会を楽しみに、自分の子供が在学していなくたって、手弁当で参加するのです。
運動会の競技のひとつである「縄跳び競争」は、竹富小中学校の全生徒が参加して行われる、竹富の学校では伝統的な競技です。一年生は10回跳び、二年生は駆け足跳び‥というように様々な跳び方(難易度)でリレーしていくのです。最後は大縄跳びでチーム全員が跳び終えてゴールとなりますが、誰か一人でも引っかかってしまうと、最初から。あぁ!と落胆したり、苦手な子の背中をタイミングよく押してあげる子がいたり、子供達が助け合い、励まし合う姿に、運動場の周りで地域の人たちも応援も熱くなります。


地域の方も参加する種目があります。集落対抗で行われる「支会別リレー」です。各集落対抗ですから、お互い負けられない戦いです。引っ越しなどで新しい住人が増えた時に、「足は速いですか?」「運動には自信がありますか?」という質問がされるほど、本気度がちがいます。リレーの最後は全生徒、全職員参加の「紅白リレー」。新一年生から中学三年生まで、担任の先生、保健の先生、もちろん校長先生も走ります。順番決めが勝利の鍵となるわけですが、校長先生VS小学一年生の対決や、実はスポーツ万能な給食のおばちゃんVS中学三年生などなど、大きな学校ではきっと見ることの出来ない名物リレー。さぁ今年はどっちのチームが勝つのでしょうか?去年はコロナの感染予防の為、家族のみの観戦でした。あまりの見たさに、学校の壁越しに観戦したおばちゃんがいたとかいなかったとか…。今年こそは、「小さな島の大運動会」できると良いですね。
(NPOたきどぅん会報Vol.68 2021年6月 より)