竹富島には神様がいる??の話

年に何組か「○○はどこですか?」と島の御嶽を探し訪ねてくる方々がいらっしゃいます。
その方々はいわゆる「モノシリ」とか「ユタ」とか「カミンチュ」とかと呼ばれる人が多くて、何やら目に見えぬ力や声に導かれこの島まで拝みに来るのだとか。
その方たちが口をそろえて言うには、「竹富島の神様はすごく力が強い」ということです。
なんともふわっとした話で何の確証もないのですが、いろんな方が次々に訪れるので、あながち間違いだとも言い切れない。
島に暮らしている我々もしばしば神様の存在を感じることがあるのです。

種子取祭では雨天決行が基本ですが、悪天候で種子取祭ができなかったという事はほとんどありません。台風が近づいていた時も、当日になると進路を変えていたり、大雨の警報が出て石垣や西表は大荒れでも竹富の上だけぽっかり雲が切れ、太陽が見えたり。
不思議な事に種子取祭は最後まで執り行う事ができることになっているようです。

そういえばこんな事がありました…今はもう引退されている神司のおばぁちゃんがまだまだ現役のころ、御嶽を廻る祭りが台風にあたり、車で御嶽に出向くにも危険だということで、神様に「今日は悪天候で伺えませんがよろしいでしょうか?」と質問をしました。
お米を使ってYESかNOかを聞く儀式があり、それを試してみましたが、ある御嶽だけ何度お伺いを立てても、どうしてもYESの答えが出ません。
この御嶽だけは何としても行かなければならないと、意を決して向かいました。
すると、そこの御嶽の前に強風で倒された大木がゴロンと道をふさいでいました。
これを知らせる為だったのか…
神司のおばぁちゃんはドライバーをしていたおじさんと一緒に、木を道の端にどうにかこうにか移動させ、再び「これでよろしいでしょうか?」とお米を使って聞いてみたところ、一回でYESの答えがでたということです。

じいちゃんばぁちゃんが島の子供達に「良いことも、悪いことも、神様がみーんな見ているからね。」と言います。
この言葉の説得力ったら半端ない。
(NPOたきどぅん会報Vol.58 2018年11月より)