種子取祭第5日目
本日第5日目(戊子)は「戊子の種子取」と言い慣わされ、
もっとも重要な種子蒔きの日です。
それは「戊子」の日が、根原神殿が種子取祭を統合して定めた、
播種の日だからです。
各々の家では、家長により儀式的な種子蒔きがあります。
これは、約60センチメートルの円形に耕した土地に、
稲・麦・粟・大豆などの種子を混ぜたものを蒔き入れる儀式です。
この日の朝、祭祀を執行する神司たちは、世持御嶽・清明御嶽・根原家、
それにムーヤマ(六山)の各御嶽で種子取祭の祈願があります。
世持御嶽では神司を先頭に、島の有志が参列し、火の神を拝みます。
そのとき、種子下ろしの報告を神に申し述べ、種子取の祈願を行ないます。
また、女性を中心にイイヤチがつくられるのもこの日です。
イイヤチとは餅米と餅粟、小豆を混ぜてつくった、
種子取祭用のおこわのことです。
イイヤチは、粟1升に餅米5升、小豆2合の割合で混ぜ、
これを炊いたものを練り上げてつくります。
イイヤチの下に敷くものには、清浄なタビッキャ(浜木綿)を用います。
タビッキャの根は、砂浜にも強く張ることにより、
種子下ろしの祈願のイメージと重なります。
そして、タナドゥイの主な舞台となる、
世持御嶽の特設舞台を設営するのも第5日目です。
幕舎を張ったり、楽屋を整えたり、
島の男性が中心となり、
みるみるうちに舞台をつくりあげていくのも見物です。 (YI)
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