景観美

「八重山の針路と選択64」(『八重山毎日新聞』2007.12.13第1面)でも、
白川郷における観光の現状がレポートされています。
08年4月には、白川郷インターチェンジの開通が予定され、
交通の便がよくなるにともなって、
さらなる観光客の増加が見込まれています。
白川郷は、世界遺産に登録された合掌造りの家屋が立ち並び、
美しい農村風景を形成しています。
三島敏樹氏(白川郷荻町集落の自然環境を守る会会長)は、
観光のために景観を残すのではなく、
保存の原点に返ると同時に、
景観美、集合体としての美の追求といった面からの
保存も大切だといっています。
竹富島の景観美について、
西山徳明氏の「竹富島の集落はなぜ美しいか? その1・2」は、
必読の論文です。
それぞれ『星砂の島』(全国竹富島文化協会)
第8・9号に収録されています。
西山氏の論文には、竹富島の景観美の秘密を
具体的に述べていますが、
そのなかから1つ紹介しましょう。
「竹富島集落では、
すべての屋敷において
分胸形式がとられたことは不思議です。
しかしそのことが(中略)屋根形状と相俟って、
きめ細かなリズム感のある屋根の連続する景観を
創り出しているのです。」
リズム感のある景観!とは面白いですね。    (YI)


「八重山の針路と選択64」
―第3部まちづくり23白川郷編―
『八重山毎日新聞』2007.12.13
 世界文化遺産に登録された合掌造り家屋が立ち並ぶ農村風景を目当てに年間150万人の観光客が訪れ、民宿や土産店、飲食店など観光関連産業が活発な白川郷。生活基盤が確立されていることで若者が戻る一方、条例で家屋の新築や増築が制限され、住居確保の問題も浮上している。また、来年に予定されている白川郷インターチェンジ(IC)の開通による集落環境の変化も懸念されている。
■若者のUターンと住宅不足
 世界文化遺産に登録された荻町の人口は148戸、約600人。観光産業という生活の基盤も確立されていることで若者のUターンも多く「人口ピラミッドがほぼ真四角で、地区内に各年代が満遍なくいる。他の地区と比べ、過疎化は少ない」(世界遺産白川郷合掌造り保存財団)という。その一方で問題となっているのが、若者の住宅問題。
 現状の世界遺産の集落景観を維持するために保存地区内では、基本的に家屋の立て替えを除き、新たな建築は出来ない。増築も現状面積の1.5倍までとするガイドラインが設けられ、無秩序な増築を規制している。
 これにより、若者が帰ってくる地盤、働く場所があるものの、住む家の確保が難しくなっているのが現状のようだ。
■開通間近な白川郷IC
白川村は、一番近い高速道路のインターから約50分。交通の便は極めて悪い。それでも年間150万人もの観光客が訪れ、ピーク時には集落内が観光客であふれる。
その不便な交通の便も08年4月には集落近くで高速道路の白川郷ICの開通が予定され、交通の便が改善されることでさらなる観光客の増加が見込まれている。
しかし、その一方で「インターが開通すると観光客の流れがどう変わるか分からない」「これ以上観光客が来ると、白川郷が汚れていくばかり」「高速は無くても良い。不便な所でも来てくれるお客だけで良い」と、観光客増加に伴う集落内の環境悪化を懸念する声もある。
■景観美の保存
 観光客が増加するなか「観光のための保存」へと、住民の意識のズレが指摘されるなか、白川郷荻町集落の自然環境を守る会の三島敏樹会長は「(合掌造りの)保存の原点に返ること」を課題として挙げた。
 今後の手法としては「景観美、集合体としての美の追求」を挙げ、生活するのに必要だからではなく、風景が美しいから残すという、共有できる美の観点から保存の必要性を強調した。

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