宇根東杜くん、少年の主張八重山地区大会で優秀賞!

竹富中学校3年生の宇根東杜くんが、
第22回少年の主張八重山地区大会にて
優秀賞を受賞しました。
おめでとう!
タイトルは「生きる自信貯蓄中」!
内容については、2007年9月23日の『八重山毎日新聞』に掲載されています。
そこから竹富島の中学生の日々を垣間見ることができます。
つまり、人口の少ないなか、中学生一人一人にもスクブン(役割)があり、
それぞれがその責任を果しながら、島の行事や学校行事を、
運営しているというのです。
東杜くんは、それらひとつひとつの関わりを見つめ直し、
将来生きていく力に換えていくことを決意しています。      (YI)


生きる自信貯蓄中(竹富中学校3年 宇根東杜)
 この4月、1人の転校生が僕たちの仲間入りをしました。
中学3年生で?受験もあるのに…それに都会からこんな田舎へ…そして、親元を離れてまで…僕は不思議に思っていました。
 彼女はすぐに学校にも慣れ、みんなと親しく過ごすようになり、いろいろな行事にも生き生きと参加し、中学生7人全員で1学期を充実させてきました。
 そんなある日、何げない会話から知った彼女の転校の理由は僕にとって驚きそのものでした。
 「自分に自信が持てるようになりたいから」と言うのです。彼女は、竹富島を取材した父親に竹富島で暮らすことを薦められたそうです。「多くのことを学べるよ」と。
 小学校のころはあまり心を動かされなかったものの、中学生になってただ何となく流されていく生活に疑問と焦りを感じ、中学3年での転校を決心したとのことでした。
 「え?何それ?何を学ぶのこの島で。自信を持つって何だ?」僕はわけがわからず混乱していました。
 この島で学べる多くのことって何だろう。この島にいる僕たちはそれを学んでいるのか。僕たちの毎日はとても平凡で普通なのになあ。
 学校は小中合わせて34人、クラス替えもなく何をするのもずっと一緒。上下関係もあまりなく、言葉遣いも荒いし、うるさい。お互い刺激も少なく何となくなれあいで過ごしている。人数が少ない分、役割や仕事はめちゃくちゃ多い。スーパーもコンビニもない。
 どうも僕に浮かんでくるのは愚痴に近いものばかりです。それを言うと、彼女から「みんな仲良しってことさ。それににぎやかで楽しいんじゃない。行事もみんな目立っているし」
 「へぇーなるほどねぇ」そんなふうに考えるとちがう部分が見えてきました。
 赤瓦の家に白砂の道。竹富島憲章や町並み保存で守られている夢のような島。人口も少なくほんとにみんなで協力しないと行事は成り立ちません。一人一人が大きな役割を担い、それぞれの責任を果たしています。それは他の大都市に比べると比較にならないほどの重さです。
 学校でも同様です。授業のほかに行事がたくさんあります。楽しいものやきついもの。真夏の運動会、中学生リーダーとして小学1年生から全員をまとめ放課後の自主練習をこなしました。校内清掃も草との競争です。怠けることは許されません。
 全員で部活動に励み、中体連にはバドミントン競技に参加。子ども会ではこぼし文庫活動。定期的な文化財の清掃、郷友会行事参加等数多くありました。
 それらを僕は、何となくやっていました。「やらされていた」ともいえるし、先輩たちもみんなやってきたからやるのは当然だ。というのでやってきた気がします。特に意識することは全くありませんでした。
 でも、それらを彼女は「むこうじゃありえないよ」とびっくりします。
 生徒会活動や行事の集会進行も全員輪番制。司会、あいさつ、裏方とかかわります。いやだなどそれこそありえません。そんな普通のことが多くを学んでいることなんだとこの夏僕は気がついたのです。そうすると、これまでやってきたことがちょっと得意な気分になってきました。
 これからも日本一忙しいといわれる僕たちを、学校で地域でたくさんの活動が待っています。
 シュノーケリング体験、9月末に東京で行われるサンゴシンポジウム参加、島をあげての種子取祭と次々にやってきます。「むこうじゃありえない」行事に彼女がどう感動するのか楽しみです。そして僕自身も、新鮮な発見ができるようで、自分自身に期待しています。
 毎日の生活を見つめ直し、ただ流されるだけでなく、自分がかかわっていることの意味、それが僕たちにどんな力になるのかを考えることで多くの学びができると思います。
 そして、それは将来自信をもって生きていく自分を作るものとなるでしょう。
 いつも前向きに、小さな感動と小さな喜びを大きな未来へつなげていきたいです。

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