古謡を謡おう!竹富島の生活を学ぼう!(その2)

 昨晩は、竹富島まちなみ館において、
第2回古謡を謡おうの会が開催されました。
(竹富島民俗芸能保存会、NPOたきどぅん共催
「トヨタ環境活動プログラム助成」)
 連日連夜の集まりの影響や、竹富島コーラスグループ
メンバーが練習で参加できなかったため、今回の
メンバーは僅か11名。少々さみしい参加者となりましたが、
みんなで『霧下りアヨー』を謡います。
 八重山民俗学の先駆者である喜舎場永珣翁をして
「八重山古謡の白眉」とも称せざる『霧下りアヨー』は、
八重山に降りる霧を題材とし、アヨー特有の対語対句を重ね、
さらにきれいな韻を踏んだ歌詞の構成となっています。
霧下りアヨーの1番と2番を例にとりましょう。
1 うるずんぬヨ ※(シタリヨ) きるりや ※
  たきさどぅりヨ ※ きるりる
 (陽春の霧下りは、岳をたどり、霧が下りる)
2 ばがなち(若夏)ぬヨ ※(シタリヨ) きるりや ※
  むるさどぅりヨ ※ きるりる
 (若夏の霧下りは、丘をたどり、霧が下りる)
 1番のうるずんに対して、2番では対語のばがなちの言葉が
 謡われます。さらに、たきさどぅりの対句としてむるさどぅり
 が詠まれています。ちなみに囃子言葉の“シタリヨ”は、
「その通りだ」との意味があります。
 文字を持たず、人頭税に苦しめられていた私たちの祖先が、
このような美しい言葉を用いて素晴らしい古謡を遺したことに
ついては、全くもって感嘆するほかありません!
 50年前までは、茅葺の屋根をふき替えた時や、シラ(稲倉)の
祝い、プイ(豊年祭)などの祭事行事などの祝いの場で謡われ
続けていた『霧下りアヨー』は、竹富島で最も遺すべき古謡で
あるといっても良いでしょう。
 たいへん美しい歌詞をもつ『霧下りアヨー』の世界は、講師の
前本隆一さんを通じて、参加した方々に伝わったのではないでしょうか。

(ta)

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