仲筋村伝統芸能継承の碑
仲筋村のハニヤ御嶽の境内に
「仲筋村伝統芸能継承の碑」が建立されたのは、
1999(平成11)年9月のことです。
このモニュメントには、16の芸能の演題が銘記されています。
次に、その演目を碑の表記にしたがって、並べてみましょう。
そのとき、便宜的に番号をふることにします。
(1)あぶじ狂言
(2)種子蒔き狂言
(3)天人狂言
(4)はる屋の願い
(5)組踊り父子忠臣
(6)スル掬い狂言
(7)タナドウ屋狂言
(8)いも掘り狂言
(9)たこ捕り狂言
(10)鬼狂言
(11)タノリャー
(12)八人踊り
(13)サングルロ
(14)仲筋のヌベマ
(15)マミドー
(16)腕棒
上の演目のうち、(1)~(10)が狂言で、
(11)~(16)が舞踊です。
原則的に狂言は男性、舞踊は女性が担当することになっています。
このうち、(1)(2)(3)(11)は、タナドゥイ(種子取祭)において
儀礼的な芸能であり、どのような悪天候でも
毎年奉納することになっています。
(1)(2)(3)の狂言は、儀礼的な狂言という意味で、
「リーキョンギン」「リーヌキョンギン」「ジーキョンギン」などと称され
タナドゥイにおける、祈りの心が象徴され、奉納芸能の核になっています。
(11)は、粟の種子蒔きの仕草を舞踊化したものですが、
格調高く、優美な所作が印象に残ります。
(2)は、ミシャグキョンギン(神酒狂言)とも呼ばれ、
劇中に「ミシャグヌカザイングチ(神酒の飾口)」が、
セリフのひとつとして唱えられます。
これは農作業の過程を述べ、年貢の上納、そして神との饗宴が
叙述的に展開した、長大なセリフになっています。
また、「ミシャグヌカザイングチ」は、神ツカサが唱える、
願口の内容と表現のうえでも大きく重なり合っていることにも
注目できます。
このことは、神ツカサの唱える願口の内容が、
狂言を通じて、神・島人に確認されるという、
役割も考えられるからです。
こうした考察を深めることによって、
芸能の本質が浮上してくるかと思います。 (YI)
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