『八重山毎日新聞』2007.9.13 掲載

現在ゆがふ館のテードゥンギャラリーで開催中の、
酒井潮 初個展―LONG VACATION―」が好評です。
『八重山毎日新聞』(9/13)の「オーライ 172」欄でも、
大きく紹介されています。
これを読むと、あらためて酒井さんの人となりを知ることができ、
同時に作品の理解を助けてくれるかもしれません。
酒井さんは、流木や貝殻などを素材とした作品群を
「生まれこぼれた星クズ」たちにたとえています。
それらはギャラリーいっぱいにきらめき、
小宇宙を創出しています。
「酒井潮 初個展」は20日まで。(YI )


放浪後、竹富島に10年
酒井潮さんが初の個展
―日記的、個人的記録みたいなものです―
竹富島・仲筋に住んで10年、今年は生まれ年の「亥」にも当り「区切りとして個展を開きたかった」と酒井潮さん(36)。
「ゆがふ館ギャラリー」に展示された作品は33点。この10年間に島の海岸線などで拾い集めた流木や貝殻、漂着物などを材料に仕上げたオブジェ、作品群だ。
 中にはタイの切手、カレン族の首輪やかんざしなど、海外のものも含まれているが、「一見脈絡がないように感じる人もいるかもしれませんが、ぼくの中ではすべてがつながっています」と説明する。
 「作品づくりの根源には、過去に琉球が黒潮に乗って自由にタイやフィリピン、中国大陸や南方にまで行き来してたころのイメージがあります。国境がなく、自由に海を旅する漂着物が好きだし、外国の物でもこちらで拾った物とリズムが共鳴し合って楽しい」と酒井さん。
 アクリル絵の具を使用した絵画や彫刻は、島の祭りや信仰から影響を受けた「ヒヌカン(火の神様)など。色は原色の赤、黄が目立つが、「日本人は、わびさびに代表されるように渋めを好む傾向がありますが、沖縄は(祭りの意匠など)赤とか黄が使われることが多い」と語る。
 酒井さんは1971年、東京生まれ。都会のど真ん中、池袋に長いこと住んだという。日大芸術学部美術学科を96年に卒業。在学中に海外、その後、鹿児島、南大東島、沖縄本島などを経て97年に竹富島に落ち着いた。
 1年後、竹富島に旅行で訪れた札幌出身・2歳年下の優子さんと知り合い、その後結婚、男の子にも恵まれた。やはり都会的な環境で育った彼女とは、竹富島の「顔の見える近所付き合い、島人の親しみやすさ、人間らしい島の暮らし」で共感した。その後02年にはアクセサリーショップ「南潮庵」を開設。
 個展には石垣島に移住した大学時代の友人も見に来てくれたとうれしそうで、「竹富島に初めて来たころのぼくはフラフラと放浪を続けていた。カイジ浜で島の人から声をかけられ、親切に店でアルバイトさせてくれ、寝泊りもさせてもらった」
 「10年が経ち、親切にしてくれた世話になっている島の人たちのためにも何かやりたいと思っていた。作品づくりを通して、自分の基本的な部分で振り出しに戻った気がします。でも、見せるためではなく、日記的、個人的記録みたいなものです」と、最後まで謙虚だった。

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