狂言のこと

「竹富島種子取祭の芸能」公演が
いよいよ明日6時30分より、
浦添市てだこホールにて開幕します。
そのなかの演目に、玻座間村の例狂言(呪狂言、地狂言とも表記される)
《鍛冶工》《世曳き》があります。
玻座間村の例狂言には
《鍛冶工》《組頭》《世持》《世曳き》の4題があり、
これらは種子取祭の奉納芸能のなかに
意図的に仕組まれています。
《組頭》では、組の責任者である、組頭の名乗りのあとのセリフに
「この間てぃやぴら、金鍬、揃整ないし」とあります。
これは「この間は鍛冶をして、ヘラ・鍬を整えましたが」といってますが
それはとりもなおさず《組頭》が《鍛冶工》を受けてつづくことを
意味しています。
まず《鍛冶工》で鉄の農具を製作し、
つづく《組頭》では作られた鍬で農地を拵えるという、
一連の流れがみてとれます。
その次の《世持》では願口を唱えて種子を蒔き、
《世曳き》では目に見えない「世」、
すなわち豊穣を具体化します。
つまり、《世曳き》とは収穫した作物を、
実際に台車に載せて曳くことによって
「世」を視覚化しているのです。
このようにそれぞれが単独の演目なのですが、
それらが有機的に結びついているところに、
祭祀のなかに組み込まれた
例狂言の意図を読みとることができるのです。          (YI)