トイレットペーパーの話

かりゆし館のトイレ掃除をしながら常々思うのです。
トイレットペーパーの切り方がおかしい人が多い…。
なにがおかしいって、トイレットペーパーホルダーのカバーでペーパーを抑えて切ればまっすぐ切れるように設計されているのにも関わらず、敢えてそれを使わずに両手で「ちぎり切る」人が多いという事です。
当然、ホルダーから見るも無残なペーパーがびろ~んっと出ることになる。これでは衛生面も見た目の美しさも台無しです。このびろ~んっを切り直し、ただ捨てられていく紙を見て罪悪感すら感じる日々。

それに比べ竹富島のかつてのトイレットペーパー事情はとてもエコロジーでした。
ロール状のペーパーがまだまだ高価だった頃は25㎝角のいわゆるチリ紙。
私の通っていた保育所ではそれを3枚程重ねて四つ折りにし、トイレ脇の箱に入れて使用していました。
カラカラと際限なく出てくるロールと違って、一度で完結するそれは地球に優しく経済的。
それどころか丁寧に折られた紙が綺麗に整列する様の美しかったこと。

それより少し前は子供用の漫画や雑誌をトイレ脇に置き、それを1枚ずつ切って使っていたそうです。
雑誌や漫画の類は紙質にザラつきがあるものの揉めば柔らかく水気も良く吸い取ります。何より一人の時間のお供として最適です。
考えてみると雑誌という形状は一枚ずつ切り取るという使用法にピッタリ。
しかし、困った事に分厚い漫画が終盤になるとカラーのページや表紙しかなくなり、ツルツルの紙質がいかにお尻に合わないかを思い知らされる事に…。

更にもっと前は葉っぱです。葉っぱ。
自然素材の極みと言っても過言ではないこのトイレットペーパー(トイレットリーフと言うべきか)経済的なのはもちろんの事、あっという間に土に還る優れもの。
しかも緑が目にも優しいときています。

昔のトイレは外にあり、その横には必ず木が植えられていました。
まず、超自然素材トイレットリーフを数枚用意してからプライベートルームに籠る、という流れ。
水洗トイレではなかったので、溜まったソレらは農作物の肥やしとなり、木もまた良く育つ。
見事なエコ!素晴らしき自然のサイクル!
さてここで、トイレに最適な葉っぱベスト3!を発表します。

第1位 ユナ(ゆうな)
 ちょうど良い大きさと柔らかな肌ざわり。
 採取して1日置いた位のクタクタ具合が◎

第2位 桑
 台風後一番に葉を広げてくれるので重宝。
 ツヤツヤしているのでふき取り感はいまいち。

第3位 牧草のようなイネ科の雑草
 細い葉の形状からお尻拭きに不向きと思われがちだが、
 枯れてシナシナになったところをまとめると、ふき取り感は最高。
 しかしお尻がむちゃくちゃかぶれる。

最近ではダブルのペーパーだ、ウォシュレットだと、私達のお尻もデリケートになりすぎて、水洗トイレでは超自然素材のトイレットリーフを使用する訳にはいきません。
しかし、心静かな時間が地球の事を考える時間になれば幸いです。
今回はちょっと汚い話で…どうか水に流して。。。
(NPOたきどぅん会報Vol.56 2018年7月より)