愛称の話

竹富島の人達は小さい子供や友達を愛称で呼ぶことがあります。
愛称の付け方として「○○なぁ~」というのが一般的で「なぁ~」というのは小さくてかわいいものにつけるらしいのです。
カリンなぁ~ケンなぁ~ なんだか本当にかわいらしいですね。
内地で言うところの「○○ちゃん」とか「○○ぼぅ」とかにあたるのでしょうか。もちろん、ヨシヒコ→よしぼー エイイチ→えいぼー と内地式で呼ばれている方もいます。

竹富式ではさらに名前にerをつける呼び名があります。
マサキ→まさきゃ~
シノブ→しのば~
アツシ→あつしゃ~
たぶん世間で、ブログを書く人→ブロガーなんて言われている人よりもずっと前からこの呼び名は確立していたはず。

残念ながら名前の最後の文字が「あ行」だったり「あ」や「お」の母音で終わる方は適用されない傾向にあるようです。
アサカ→あさかぁー×
アキラ→あきらぁー×
マサオ→まさおぁー×
erにうまくつながらないからか、しっくりきません。
私の名前も適用外で愛称が羨ましい限りです。

長めの名前には変化球もありまして、
タツジン→たつばー
カズノリ→かずぅ
アメリカで言うところのキャサリン→キャシーみたいなものでしょうか?ずいぶん洒落てますね。

どの愛称にも共通して言えるのは、親愛の気持ちが込められていることです。嫌いな人には愛称なんかつけませんからね。
しかし、最近のキラキラネームにはどうも対応しづらいようで、今の小さい子供達はそういった愛称で呼ばれることが無いようです。ぜひ復活させてほしい文化だなぁと思うのですが・・・。

かりゆし館に缶コーヒーを買いにくるおじさんは、ハルボーおじぃ。
内地式で○○ぼぅと子供の頃から呼ばれていたようです。みんなハルボーハルボーと呼ぶので、本来小さな子供につける「ぼぅ」ではありますが、年下の人もいつしかハルボーにぃさん!子供達もハルボーおじぃ!と呼ぶようになりました。
坊なんだかおじぃなんだかよくわからない愛称になってしまいましたが、毎朝顔を見せてくれるおじ様に、私も愛を込めて「ハルボーおじさん!」とお呼びしております。
((NPOたきどぅん会報Vol.59 2019年1月より)