「おばあちゃんのお手玉をお土産に。」~その3

え!?これって一石二鳥じゃない!?
いよいよ、商品化にむけて動き出した私達でしたが、
なかなかむずかしく・・・
一口に、入れ物といっても様々で、カゴのようなものにするのか、
巾着にするのか?風呂敷っていう手もあるしなぁ・・・。
そこで、私達のこだわりの一つである、
「竹富島の素材を使う」
というところから考えてみることにしました。
竹富島にはたくさんの自然素材があります。
アダンの気根・月桃・苧麻は綯えば紐にできるし、
トウヅルモドキやアダンの葉などは、編むことでカゴを作ることができます。

だだ、紐やカゴにするまでの加工に、とても時間がかかるし、
恥ずかしながら、技術もありません。どうしたことか・・・。
と、悩んでいたところ、「苧麻を繊維にするまでならすぐできるよ!!」と
島で織物を習っているお姉さんが教えてくれました。
また、苧麻の種類で糸にするような上質なものでなければ、
道端にたくさん生えているとのこと。
さっそく、お姉さんと一緒に竹富島の「ノカラムシ」を探しにドライブ。
普段、意識して見ていなかったので
「あっ、向こうにあるのがノカラムシ、その向こうも。」

次々に見つけていくお姉さんに感心しつつ、
車をおりては鎌で刈り取り葉を落としていきます。
茎だけになったノカラムシを、2人で抱えるようにしてもどってくると、
次は、棒のようになった茎から皮を剥ぎ取ります。
剥ぎ取った皮をまとめて少しの間水につけたあと、いよいよ「繊維」に。
「パイ」という3cm×5cm大のステンレス製の板がブーを引く道具です。
皮の内側にパイをあてしごいてを浮かせいく作業なのですが、
1回目で皮をうかせ、2回目で皮を完全に取り除くというのが理想とのこと・・・
お姉さんが、シューーーっとひくと、みるみるまに真っ白で美しい繊維が採れています。
なれない私の手さばきでは、シュシュシュ・・・ブチ!!・・・。
スーーー?(皮がはがれてない・・・)??
見た目にも美しいとは言えず、どうしても緑の皮が残ってしまいました。
採った繊維は風通しの良いところで陰干しし、乾いたらできあがり!!
いやー、すぐできるとは言うものの、これだけの手間がかかるのね・・・。
そんな思いで、取り出した繊維を見ると、
抱えるほど取ってきた「ノカラムシ」は、
たった一握りの繊維になっていました・・・。

あれだけとって、これだけ??
ふーーー。
伝統工芸への道は険しい・・・。
いや、まてよ。
少しかじった程度ではありますが、いま私たちがやっていることって
伝統工芸を学ぶ第一歩なのでは!?
やりたいと思ってはいても、いざ「伝統工芸」となると、
“しきい”が高い気がして手を出せなかった私たち。
しかしこれは、糸を作る第1ステージを学んでいることになりはしないか?
そう思うと、なんだかすごく得をしたような、
おばあちゃんたちが伝えていきたいと思っていることに、
少し触れることができて嬉しいような・・・そんな気持ちになりました。
竹富島のお土産を作りながら糸づくりもお勉強。
まさに!
一石二鳥です♪
つづく

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