かりゆし館のビーバーの話

島で生活するうえで雑草との闘いは避けて通れません。
刈っても抜いてもすぐに生えてくる草、草、草。ご存知の通り、竹富島には清掃検査が年に2回あります。それ以外にも伸びてきた雑草はこまめにとっておかないと大変な事になります。
そこで、一家に一台「ビーバー」が必用になるわけです。
少し調べたところによると「ビーバー」は、あるメーカーの商標らしく、「刈払機」というのが名称だとのこと。しかしこのあたりでは、ビーバーの呼び名で親しまれています。
円盤型の歯を高速で回転させて草を刈っていくので、危険も伴いますが、このビーバーを使いこなせるようになったら島の男として一人前。
芝生を刈るのに使ったり、牛のエサを刈るのに使ったり、雑草取りの他にも意外と使えるビーバーです。
サンゴ礁が隆起してできたこの島は石ガンパラで小石も多く、乱暴に扱うとすぐに壊れてしまいます。
石垣沿いに生えている草や障害物の近くの草を刈る際には、歯が当たると欠けてしまうので、当たらないようにと繊細なビーバー捌きが必要になったり、古い歯に付け替えて利用する工夫をしたりと、大胆に見える中にも繊細な技術も必要とされるわけですね。
上級者になると、生え始めた雑草を砂の中から抜き取るべく、ビーバーを使って砂の中から根ごと掘り出す技術を習得した方もいらっしゃいます。
虎刈りの芝生などみつけると、「あれは誰がビーバーまわしたか?」という話になり、「まだまだだな‥」とか「あいつのビーバーテクニックは素晴らしい」なんていう会話が聞こえます。
また、「3000円以上の歯だったら、直径10センチ程のギンネムは切り倒せる」とうプチ情報。
「エンジン式のビーバーに入れる燃料を間違えてすぐに壊した」という失敗談
「新品の歯に変えたのに切れない…見てみたら歯の表裏が逆だった…」なんていう笑い話。
また、「引っ越してきて間もないあの青年は、機械に強くておじぃのビーバーを修理してあげたってよ」という島のおじぃ達のアツい信頼を獲得した話。この島のビーバー談義は尽きません。
桟橋通りの掃除となると、それぞれビーバーを肩に一斉にブォーーーとエンジン音を鳴らし、刈りはじめます。エンジン音とチィーン、チィーンと歯の当たる音は遠くまで聞こえ、姿は見えなくとも、頑張っている様子が伺い知れます。
みんなが協力してかかれば長い桟橋通りの清掃もあっという間に終了です。


