島だて学校第8回「竹富島の織物」

竹富女童ぬ いやるや  〈竹富島の乙女の伝言は〉
花染手拭どぅ いやる   〈花染め手拭いを伝言する〉
持タチャンドゥ ビラマ
届チャンドゥ 女童         
               『竹富島誌 歌謡・芸能編』より
上記の「いやる節」は、竹富の女性の手拭に寄せる思いの深さが伺える歌です。
女性は男兄弟や夫の無事を祈り、思いを込めて織った手拭をお守りとして渡したといいます。
1枚の手拭が出来るまでには、多くの行程があります。
植物から繊維をとり、一本一本繊維を縒って糸をつくり、美しい絣を形作る染めを経たりしながら、まさにゼロの状態から一つ一つの行程を重ねるようにして積み上げていき、ようやく1枚の布になっていくのです。
現在では、ミンサーや八重山上布、芭蕉布などの価値が多くの人に認められ、注目を集めているところではありますが、こういった全行程が知られることはあまりありません。
島人でさえ、植物からどのようにして繊維をとるのか、そもそもどの部分を使うのかといったことなども曖昧だったりします。
7月28日の講座では、織物事業共同組合の前理事長と現理事長、昔から当たり前のように織物に携わってきた島のお年寄りなどをお迎えして、織物事情の変遷や基本的な織物の行程、ブーンミと呼ばれる苧麻をつかった糸つくりを体験しました。
蜘蛛の糸のような細い苧麻とにらめっこしながらブーンミをする参加者の顔は真剣そのもの。
一喜一憂する様はまるで子どものように無邪気で、新たな発見と関心に見開いた目をきらきら輝かせながら、織物に関する課題や今後の目標をいつまでも熱く語り合ったのでした。

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