竹富島の水牛観光施設-無許可開発で調査開始-

八重山毎日新聞2月26日(火)付記事
 
 現在、集落内において重大な問題が起こっています。
この問題は2004年からの懸念事項であり、その都度、
島民の殆どの方が胸を痛めてきました。
 
(ta)


竹富町 事業停止も視野に 観光センター側は反論
 23日から島内の土地約2900平方メートルで行なわれている造成工事について、町は25日、町地域開発指導要綱に基づく許可を受けずに行なわれている可能性があるとして、調査を開始した。大盛武町長は無許可での造成が確認された場合の対応について、「停止の権限がある」と述べ、同要綱に基づいて事業停止を求める考えを示した。水牛車観光施設を整備するために造成を行なった有限会社竹富観光センターの小底朝吉代表取締役社長は「申請は出してあるが、町当局『町教委が長景観形成地区保存条例に基づく現状変更許可を出していない』という理由で、受理しない」と反論し、建築確認を待って施設整備に着工し、5月末に営業を開始する方針。同要綱に基づく許可を担当している町企画財政課は「申請前の調整はしているが、同社からの申請は出されていない」(慶田盛博課長)と述べ、食い違っている。
申請手続きめぐりトラブル
 町によると、同要綱では1,000平方メートル以上、3,000平方メートル未満の土地で開発行為を行なう場合には、町の許可が必要だと定めており、違反した場合には事業を停止させることができるとしている。
 町は25日午後3時から町役場内で、町長、副町長、教育長、総務課長、企画財政課長、町教委総務課長が約2時間にわたって対応を協議した。
 これと並行して、同要綱に基づく許可を担当する町企画財政課の職員1人と町並み保存を担当する町教委の職員1人を同島へ派遣し、調査に着手した。町と町教委派今後、2人の調査結果を元に具体的な対応策を検討していく。
 協議終了後、大盛武町長は同社に対して町側が行なってきたこれまでの対応について「口答で指導してきている」と説明するとともに、今後造成している場所以外の土地を同施設用地としてあっせんしてきた経緯にふれながら、「(同社は)それを踏まえて強行に(造成に)出てきた。制度は制度として認識して欲しい」として、同社側に改善を求める考えを示した。
町教委を提訴へ
現状変更許可ないのは不当 竹富観光センター

 水牛者観光施設用地として島内の土地約2,900平方メートルで造成を行なった有限会社竹富観光センター(小底朝吉代表取締役社長)は「町教委の指導に基づいて(同施設整備のために)公民館の同意を得たのに、昨年8月に申請した町景観形成地区保存条例に基づく現状変更許可が認められないのは不当だ」として、町教委を相手取り、約3000万円の損害賠償を求めて提訴する考えだ。現状変更許可申請に対する対応を怠った不作為についても行政訴訟を検討している。
 町教委は今月29日、来春の人事について協議するために予定していた臨時委員会で今回の問題を協議するほか、来月18日に開く町伝統的建造物群保存地区等審議会(三村浩史会長)でも協議する。
 同社は現在、竹富郵便局の南側にあたる場所で営業を行なっているが、
土地の賃借契約が切れることから、業務拡張に合わせて4年前から移転を計画していた。
 同社が水牛車観光施設用地として造成した土地の北側には竹富小中学校と清明御嶽、南側には竹富島まちなみ館、東側には竹富保育所が接している。町立診療所にも近い。
 地元の集落組織「あいのた会(竹富島東支会)」(大山栄一会長)は10日の臨時総会で「(計画地は)信仰・教育・医療が機能する島の中核。水牛車観光による衛生や騒音、治安などの問題が懸念されている」として反対を決議。23日には建設反対を訴える看板9枚を集落内に設置した。
 慶田城久町教育長は「地域住民の(反対の)声もあるので、公民館としての意見をまとめてほしい。こういう(反対意見がある)状態では(現状変更の許可)できない」と話している。
 また、大盛武町長は「賠償には値しない。(提訴は)理不尽。地域の意向を重視する。本来は、町まで上げる問題ではない」と地域内での調整に期待する考えを示した。
 小底社長は「町教委の指導を受け、公民館も一緒になって代替地の確保などを含めて場所の選定を行なってきた。公民館の同意も得ている」と主張し、「司法の場で解決するしかない」と話した。
水牛車施設移転に反対
竹富島東支会が決起集会
 集落組織「あいのた会(竹富島東支会)」(大山栄一会長)は25日午前、水牛車観光施設用地に隣接する民家で「水牛車施設移転反対決起集会」を開き、同施設の整備は「土地の利用における公共の福祉に反する」とした宣言文を採択した。同会は今後、島内外で署名活動を展開する。工事差し止めに向けた法的措置も検討していく。
 集会には約60人が参加。大山会長は「島の将来や、子孫のために工事を阻止しなければならない。うつぐみの精神がどうなるか分からない」と危機感を露わにした。神司の富本定さん(83)は「人間が解決できないので、立ち退きが出来るよう神様にお願いしてきた」と報告した。
 自宅が同集会の会場となった仲村渠隆雄さん(46)は「島の中心に当たる文教地区に(水牛観光施設ができるの)は困る」と話していた。
反対看板は撤去へ 竹富島東支会
 集落組織「あいのた会(竹富島東支会)」(大山栄一会長)が23日、水牛車観光施設の整備に反対する看板9枚を設置したことについて、町教委25日、町景観形成地区保存条例に基づく現状変更行為仮設届けがないままに行なわれたとして、撤去を求めていく方針を決めた。同会は応じる考え。
 担当者は25日午後、現地を調査したあと、大山会長に口頭で伝えた。今後、町教育長から文書で指導を行う。
 また、看板で名指しされた有限会社竹富観光センターの小底朝吉代表取締役社長は25日までに「看板の設置は営業妨害だ」として法的措置を検討する考えを示した。