月別アーカイブ: 2009年10月

竹富島のことば

竹富島では、年間22もの祭事行事が執り行われ、
そのうち、ほとんどの祭事が農事サイクルを元にしています。
 種子を得て    (世迎い)
 種子を蒔き    (種子取祭)
 種子の成育を見守り(長月祝いほか)
 種子の豊作を祝い (豊年祭)
 豊作成就の願い解き(結願祭)
しかし、現在では農作業を行う島人はごく僅か。
ほとんどの島人が観光業に携わっています。
それでも、なぜ島人は祭事を執り行うのか。
それは、
次の言葉が竹富島には遺されているからなのです。
「かんぐとぅや うくりな ねんりーや たてぃるな」
(神行事は遅れるな、前例のないことはするな)
先人から伝えられているこの言葉は、
神前における奉納芸能の所作ひとつひとつを、
正しく継承しようとする精神にも繋がります。
そして、島人は遺されている言葉、精神ひとつひとつ
を大切にし、忠実に守っていこうと心がけています。
この精神が遺されている限り、竹富島は大丈夫です。

竹富島の聖地のひとつ、ニーラン石
(た)

仮設営業所の早期移転を(八重山日報10/23付記事)

 今日の八重山日報には、竹富島内の水牛車営業所
の影響で、竹富保育所の保育環境が悪化しているとの
報道が紙面のトップに掲載されています。
 昨年からの懸案である有限会社竹富観光センターの
水牛車営業所移転問題ですが、竹富島の一番の宝である、
小さな子どもたちの心を痛めないことを切に願います。
(た)

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竹富島の風を送りたい~前編

「クバオウニ」ってご存知ですか?
クバオウニとは、竹富島で昔から使われている扇のこと。

40代以上の人に聞くと、
「扇風機もない頃は、夏になるとおじぃやおばぁが昼寝の時にあおいでくれて、とっても涼しい風を送ってくれたもんだよ。カサー、カサーという音と、背中をさすってくれていたあの感触は忘れられないよ・・・」
と、話してくれます。
どこへ行っても冷房が入っていたり扇風機がまわっている現代、
よく目にする“光景”ではなくなってしまいました。
少しでも“竹富島を感じるものをお土産に!”と、かりゆし館の売店ができた当初から「クバオウニ」を販売してきています。
クバの葉で作る「クバオウニ」は、見た目が葉っぱそのものなので、店頭に並べただけではなかなか扇だということがわかってもらえず、売れ行きもいまいち・・・。
うーーん・・・竹富島から持ち帰っても使え、竹富島の木陰ですーっと吹く風を思い出せるホントに良いものだと思うのですが・・・。
なんとか「竹富島の風」をお土産に持ち帰って欲しいのになぁー、
と色々考えてみましたが、なかなか良い考えは浮かばず、ひきつづき扇として「クバオウニ」を販売していたのです。
ひょんなことから・・・。
ある日、何気なく雑誌を見ていたら、どこかの檜の産地から檜の板に切手を貼り、葉書にして贈るというアイテムが目に留りました。
木の温もり、木の香り、なにより送り手のメッセージを込めることができるというこのアイデア・・・・頂きましょう。
郵便受けに葉っぱの手紙が届いていたら・・・
面白い!
しかも、ただの葉っぱではないのです、
クバオウニなので「竹富島の風」を送るのです。
「風」を送るなんて聞いたことがありません。
この扇を贈り、届いた時の友人のびっくりした顔を
想像するだけでニヤニヤしてしまいます。
思いついたら居ても立ってもいられなくなり、すぐさま郵便局へ。
「クバオウニ」を差し出し、
「これはいくらで送れますか?いくらの切手を貼ればいいでしょうか?」
「無理です。」
・・・バッサリ。
勢いよく聞いた、私の出鼻は完全にくじかれました・・・。
檜の板は送れるのにどうして扇はだめなのか・・・?
葉書なんて紙切れだって、切手を貼ればちゃんと届くのに・・・なぜ!?
どうすればこのまま送れるのか?
タグをつけても送れないのか?
葉っぱであることが原因なのか?
納得できずに、次々に質問する私に郵便局の方は答えてくれました。
葉っぱであることで、破損する可能性があること。
葉脈が邪魔をして切手を貼ってもはがれてしまうことが考えられ、
送り先にも迷惑がかかるかもしれない、とのこと。
タグは良い考えかもしれないけれどやっぱり裂けて落ちてしまったら、
しっかり届けることができないと思うとのことでした。
確かに、郵便局の方が言ったことが言ったことは最もで、
折角送るのなら確実に届けたい・・・。
すっかり気落ちしてしまい、郵便局を後にしました。
しかし、どーしてもあきらめきれません!
「竹富島から風を送る」
ものすごく素敵なことに思えて・・・
もう一度、しっかり考えてみることにしました。
つづく。

民具づくり教室の制作物、舞台に立つ!

 今月6日から9日間にわたって執り行われた
2009年度種子取祭も昨日取り終えることができました。
今年も理事ならびにスタッフ一同、自らのシクブン(役割)
を全うすることができました。
 さらに今年はもう一つ、見事にシクブンを果たした
モノがあります。
 サチブドゥイにて奉納された「ガイジンナー」にて、
民具づくり教室のメンバーが作り上げたガイジンナーが
“出演”しています。

 今回の奉納には、講師の富本衛さんが高利貸し役として
舞台に立つことが縁となり、民具づくり教室のメンバー5名の
ガイジンナーが舞台に上がり、台詞にはそれぞれの制作者の
名前が呼ばれ、場内の爆笑を誘っていました。
(た)

たなどぅいコーナー開設

今年の種子取祭もトゥルッキが10月6日と、目前に迫ります。
そこで、NPOたきどぅんでは毎年制作している種子取祭をモチーフにした
数量限定の種子取祭記念グッズを販売しております。
かりゆし館の売店に種子取祭特集のコーナーを開設し、
種子取祭に関する書籍等とあわせて販売しています。

是非お立ち寄りください。

種子取祭の日程について

  平成21年度(2009年)
  竹富島の種子取祭
1. 8月22日(つちのとゐ)、節祭(昔の正月)
  新しい季節を迎えたことを神々に祈り、
  作物を育む大地と命の水(井戸)に感謝する神事。
2. 古来より節祭から49日目のつちのえねの日を祭日とする
  種子取祭に入るとされている。
3. 9月26日(旧暦8月8日)、世迎い(ユーンカイ)。
  竹富島にニライカナイの国から神々より種もみが
  もたらされるという神事が行われる。
4. 本年は、10月10日がつちのえねの日にあたり、その日に種を蒔く。
  昔から、それより4日前のきのえさるの日から種子取祭の日程に入る
  とされている。
5. 10月6日(きのえさる)種子取祭初日。
  初日はトゥルッキと称し、祭の計画手配を行い、
  玻座間、仲筋の両地区の長者(ホンジャー)の前で無事に奉納芸能
  が尽くせるようにとの祈願を行なう。
6. 10月7.8.9日
  種子取祭の諸準備。踊り、狂言の稽古を行う。
7. 10月10日(つちのえね)
  男生産人(16歳~65歳迄)は、早朝から幕舎張りなどの奉納芸能
  の舞台つくりを行う。出欠を取り、理由もなく出役しない者には
  過怠金を科す。
  各家では種まき。主婦はイイヤチ(飯初)作り。公民館役員や神司は、
  揃って玻座間御嶽、世持御嶽、清明御嶽、根原家などを廻り
  種子取祭の願いを行なう。神司は、その後それぞれの御嶽で
  祈願して案内をかける。
8. 10月11日(つちのとうし)
  ンガソウジといって、前日に蒔かれた種がしっかりと土につくように、
  精進を尽くす日とされる。家の主がブママンガンー・ブナルンガン
  (姉や叔母を神とすること)を招いてイイヤチ戴みの儀式などもある。
  芸能の稽古の総仕上げの日。
  午後8時から公民館役員、三郷友会会長などがブドゥイドゥン
  狂言ドゥンを訪ねて挨拶し激励する。
  午後5時頃から全国竹富島文化協会主催の種子取祭に関する講話が
  まちなみ館で行われる。
9. 10月12日(かのえとら)
  バルビル願いの日、奉納芸能初日。
  午前5時30分、彌勒奉安殿には公民館役員、有志、三郷友会長などが
  弥勒興しの祈願。玻座間御嶽では神司たちの祈願。
  その後、両者は世持御嶽で合流し、バルビルの願い、
  イバン取りの儀式がある。
  場所を奉納芸能の舞台に移して、干鯛の儀式が行われる。
  8時前、西地区の主事宅へ参詣。
  9時頃、世持御嶽へもどる。
  8時頃から全国竹富島文化協会主催の種子取祭に関する講話が
  まちなみ館で行われる。
  9時30分頃から、庭の芸能を奉納。
  棒術、太鼓、マミドー、ジッチュ、マサカイ、祝種子取、腕棒、
  馬乗者の順で行われる。
  10時30分頃から玻座間村の舞台の奉納芸能が行われる。
  その順序は、玻座間長者、弥勒、鍛冶工、組頭、世持、世曳狂言など。
  別途演目あり。曽我の夜襲で初日の芸能は終了する。
  (玻座間村の舞踊は、東と西の両地区が一年ごとに担当し、
  担当しない地区は数点を奉納することになっており、
  本年は東地区の担当)。
  17時30分頃、イバン戴みの儀式がある。
  それから世乞い(ユークイ)が始まる。
  世乞い(ユークイ)は、種子取祭を根原カンドゥをまつる根原家から
  始まり、その後、三地区に別れてユークイが深夜まで行なわれる。
  西地区は、神司の家、玻座間長者宅、顧問宅、主事宅
  それから家々を回り最後は有田家。
  東地区は宇根家、与那国家、神司家、顧問宅、主事宅、
  それから家々を回り最後は宇根家。
  仲筋村は、仲筋長者家、神司家、その後に各家々を回る。
  22時頃石垣への船の臨時便あり
10. 10月13日(かのとう)
  午前5時、三地区に別れていたユークイの一団は、
  根原家で一つになってユークイの留めを行なう。
  5時30分頃、世持御嶽へ。イバン返上を行ない、ユークイは総て終了。
  二日目のムイムイの願い。
  幸本フシンガーラの願い日とされ、それを祝して仲筋村の
  シドゥリャニが奉納される。
  その後、前日同様の干鯛の儀式がありその後、玻座間村東地区の
  主事宅へ参詣。
  9時頃世持御嶽へもどる。
  9時30分頃から、庭の奉納芸能(前日と同じ)がある。
  10時30分頃から、仲筋村の舞台の奉納芸能が終日行なわれる。
  別途奉納芸能演目がある。
  仲筋村長者、弥勒、御主前狂言、種蒔い狂言、天人狂言などがあり、
  最後は鬼捕りで奉納芸能は終了。
  17時30分頃、芸能の奉納はすべて終了し、
  18時30分頃、石垣行臨時船便あり。
  種子取祭首尾方の御礼(世持御嶽、彌勒奉安殿)を行う。
11. 10月14日(みずのえたつ)
  男生産人は、早朝から幕舎片付け、経理係は祭の精算に取り組む。
  午前10時頃から竹富公民館で公民館役員・有志と三郷友会
  (石垣・沖縄・東京)幹部との懇談会がある。
  支払い議会を開催して種子取祭の精算を終える。
  夜(18時頃)は全国竹富島文化協会の総会が開催される。
12. 10月15日(みずのとみ)
  種子取祭物忌(むぬん)。現在は省略している。
  特定非営利活動法人たきどぅん
  理事 阿佐伊 孫良