月別アーカイブ: 2008年2月

「ゆがふ」の意味は?

1月11日、辞書『広辞苑』(岩波書店)の
第6版が発売されました。
21世紀にはいって初めての大改訂を施し、
新収録項目数が1万増えているとのこと。
『広辞苑』は、刊行されてから版を重ねつつ、
50年余を経、現在も日本語の規範として
ゆるぎない信頼を得ています。
それは、『広辞苑』改訂の歩みが、
日本語をとりまく環境の変化を映し出すとも
いわれるので、新版がでるたびに、
とりあけられている言葉をチェックし、
時代の変化を論じる研究もあるほどです。
というわけで、版を重ねるごとに、新収項目も増え、
「うりずん」など、沖縄の方言も
立項されるようになってきました。
ところで、NPOたきどぅんの業務のひとつに、
西表石垣国立公園ビジターセンター竹富島「ゆがふ館」の
管理がありますが、毎日というほど、
「“ゆがふ”ってどういう意味ですか?」と尋ねられます。
このとき、沖縄の方言で「幸せな世の中」という意味だと
答えていますが、早速第6版を引いてみたところ、
「ゆがふ」の項目がない…。
「NHKの連続ドラマ『ちゅらさん』で、
沖縄県出身者が経営する居酒屋の名前が“ゆがふ”でしたが、
それほどこの言葉は沖縄では親しみのある言葉です」と、
幾度か説明したことがあります。
「ゆがふ」という言葉が市民権を得て、
『広辞苑』に立項されるように、
スタッフはがんばりたいと思います。
ちなみに「かりゆし」はありました。
「(嘉例吉の意)沖縄で、めでたいことや幸せをいう語」と
解されています。                (YI)

アイヌ文化交流の集い

「アイヌ文化交流の集い」(全国竹富島文化協会主催)が
昨夜、まちなみ館にて開催されました。
アイヌの方々との交流会は2回目になります。
今回の舞台は、第一部を「竹富島の歌と踊り」、
第2部を「アイヌの歌と踊り」の2部構成。
プログラムは以下の通り。
第1部 竹富島の歌と踊り
 1 世曳き     (玻座間狂言部)
 2 布織り乙女   (東支会)
 3 観光エンコラ節 (西支会)
 4 まみどー    (仲筋支会)
第2部 アイヌの歌と踊り
 1 ウエカップ   (あいさつの踊り)
 2 スッチョイチョイ(種子播きから収穫までの踊り)
 3 スタレチョイ  (大風にゆれる松の様子を表現した踊り)
 4 エムリシムセ  (剣の舞。勇壮な男踊り)
 5 ムックリ演奏  (女性が愛しい男性に対して鳴らす
            アイヌの民族楽器の実演)
 6 アイヌ語現代音楽(早坂兄弟によるギターの演奏と歌)
 7 チカップウポポ (仲睦まじい鶴の様子を表現した踊り)
 8 エルム     (来場者参加プログラム。
            はたしてエルム<ねずみ>は
            餌をとることができるか?)
 9 クーリムセ   (弓の舞。優雅な男性踊り)
10 イオマンテウポポ(イオマンテ<熊祭り>で演じられる踊り)
竹富島の生活のあらゆる場面に芸能があるように、
アイヌの芸能も、
儀式や仕事のさなか、お祝いなど、
生活の場面ごとに
それぞれにふさわしい歌や踊りがあったことが、
舞台を通じて感じることができました。
「リムセ、ウポポ、ホリッパと呼ばれる大きな輪になって踊るもの、神々への祈りを表したもの、遊びの要素を含んだもの、悪い神を追い払う儀礼から生まれたもの、豊漁猟を祈願するもの、労働の様子を表したもの、動物の動きを表したものなど、さまざまな種類がありますが、そのほとんどは女性を主として踊られるもので、男性だけの踊りはごくわずかです。楽器を伴わず、すべて踊り手やその場にいる人たちの歌と手拍子で踊られます。アイヌの人たちにとって踊りとは、自分たちが踊って楽しむものであり、また、神々もまた一緒になって楽しむものでした。」
(『アイヌの人たちとともに―その歴史と文化―』より引用)
フィナーレは会場にいる皆で大きな輪をつくり、
「イオマンテウポポ」を踊り
ひきつづいて竹富島の「クイチャー踊い」から「六調」へ。
北と南の大きな一体感を得ることができました。      (YI)