月別アーカイブ: 2007年9月

次へのステップ

 去る9月26日にNPOたきどぅん理事と職員が集い、
PMJプロジェクト進捗状況の確認、その他の事項に
ついて意見交換がなされました。

 
 今回の会議で最も関心を集めたのはPMJプロジェクト
のひとつである、白川郷への“先進地視察”です。
 世界遺産に登録されている白川郷がどのように遺産を
管理・保護し、活用しているかの報告が理事及び職員から
なされました。
 遺産を管理するための財源の確保、財団法人の設立や、
住民及び観光客のためのインフラ整備(2005年の入込客数
は約144万人です!)など、様々な工夫がなされていること
を認識しました。大変驚かされたのは、合掌家屋の藁葺きは
1件につき3,000万円も費用がかかること。遺産の維持には
莫大な資金と労力(藁葺き作業は1日500人を要するそうです。)
を費やすのですね。勿論、それらを手配するのも容易なこと
ではありません。
 このようなまちなみ保存の先進地の報告を受けると、NPO
たきどぅんとして出来ること。また、竹富公民館と協同して
出来ること。また竹富島でしか出来ないことをじっくりと考
える良い機会となりました。
 また、議題の一つである“体験入学(民泊)”について
は各理事が興味を持って聞き入っていました。
 現在、沖縄本島で行なわれている修学旅行生の体験学習
で、各家庭に1~2泊してもらい、それぞれの仕事を手伝う
という新しい観光事業です。
 竹富島では牧場やクミスクチンの栽培、石垣積みなど、
観光業とは異なる事業もあり、さらには御嶽や史跡の掃除
などの細かい仕事もあります。
 10月に入るとタナドゥイの準備が本格的に始まります。
こうしたなか、“次のステップ”へ進む良い会議となりました。
(TA)

宇根東杜くん、少年の主張八重山地区大会で優秀賞!

竹富中学校3年生の宇根東杜くんが、
第22回少年の主張八重山地区大会にて
優秀賞を受賞しました。
おめでとう!
タイトルは「生きる自信貯蓄中」!
内容については、2007年9月23日の『八重山毎日新聞』に掲載されています。
そこから竹富島の中学生の日々を垣間見ることができます。
つまり、人口の少ないなか、中学生一人一人にもスクブン(役割)があり、
それぞれがその責任を果しながら、島の行事や学校行事を、
運営しているというのです。
東杜くんは、それらひとつひとつの関わりを見つめ直し、
将来生きていく力に換えていくことを決意しています。      (YI)

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芋掘狂言の背景

行事が目白押しの毎日。
結願祭も無事に終えることができました。
今年の結願祭恒例「芋掘狂言」も、
出演者のアドリブも効いて
味わい深い演技を見せてくれました。
ここで「芋掘狂言」の背景を、イモに注目しながら、
少し考えてみたいと思います。
まずは次のセリフから。
  昔やりゃどぅ芋ぬ数んいしょーたる。
  此ぬ三品どぅあったっちょう。
  あーぱー芋、赤ぐるぐわー、白ぐるぐわーてぃどぅ
  此ぬ三品どぅあったっちょう、
  今や世ぬ変るた芋ぬ品ん
  やーさありどぅんなてぃやー。
  よう、此ぬ畝や
  よぎむらさき、農林1号、南国、沖縄1号
  めーひんやーさあすんが覚るぬ。
このセリフから、昔3種類しかなかった芋の品種が、
時代を経て随分増え、今では品種も
「よぎむせさき」「農林1号」「南国」「沖縄1号」のほか、
「めーひんやーさあすんが覚るぬ(もっとたくさんあるが覚えられない)」ほどになったといいます。
また、品種名から外来のものが島に入ってきたことが想像できますが、
その由来のひとつにとして、次の喜舎場永?氏が記録したものも
参考になるでしょうか(『八重山民俗誌 上巻』)。
(YI)

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ミーナライ・シキナライの会

 平成17年3月、喜宝院蒐集館に所蔵されている文書の一部が、竹富町から『竹富町史 第10巻 資料編 近代1』として刊行された。この書は、明治36年の人頭税廃止前後の竹富島の姿を知るうえ、かけがえのない貴重な資料。早速、NPOたきどぅんの管理する「竹富島ビジターセンターゆがふ館」や港湾ターミナル「かりゆし館」で、販売している。
 平成元年にスタートした竹富町史編集委員会は、この19年間に「新聞集成」「近代資料」「戦争体験記録」など、10数冊を刊行し、多くの情報を提供してきた。そして、いよいよ町史の本論ともいうベき島々の歴史にさしかかろうとしたとき、国の三位一体の行財政の改革に迫られることになる。その結果、町史編集室は閉鎖され、編集者は総務課の編集係として他の業務も兼任することになった。しかし、島嶼群からなる島々の歴史はなににも代え難く、行政当局の理解を得、編集室は平成19年4月に復活したという経緯がある。
 これまでに刊行された書籍は、竹富町の島々の歩みとその変遷を明らかにしてきた。そのうえ、「近代資料」は、従来日の目を見なかった、自家版などの資料が、翻刻され、さらに意訳と解説を加え、町民の前に姿を現した。諸資料が誰にでも平易に読めるようになったという功績も大きい。
 幸い竹富島には、崎山毅の『蟷螂の斧』や上勢頭亨の『竹富島誌』、亀井秀一の『竹富島の歴史と民俗』、大真太郎『竹富島の土俗』、辻弘『竹富島いまむかし』などの貴重な著書がある。また、琉球大学や沖縄国際大学の調査報告書などがあるが、最近の刊行された諸資料を参考にしながら、島の歴史を見つめ直し、再編成する時期が来たと私は考えている。

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平成19年度種子取祭日程(予定)

お問い合わせの多い今年の「種子取祭」の今年度の日取り
を掲載しますのでご参考下さい。
~種子取祭の日取り~
(10月17日~10月26日)
本年は、10月21日が「つちのえね」の日にあたり、その日に種を蒔く。
昔から、それより4日前の「きのえさる」の日から種子取祭の日程に入る
とされている。
1.10月17日(きのえさる)
  トゥルッキと称し、祭の計画手配を行う。
  玻座間、仲筋の両地区のホンジャ(長者)の前で
  無事に奉納芸能が尽くせるようにとの祈願を行ない、
  固い約束を交わします。
2.10月18日、19日、20日
  種子取祭の諸準備。踊り、狂言の稽古などを行う。
3.10月21日(つちのえね)
  早朝から幕舎張りなど奉納芸能の舞台つくりを行う。
  各家では種まき。主婦はイイヤチ(飯初)作り。
  公民館役員や神司は、揃って世持御獄、清明御獄、
  根原家で種子取祭の願いを行なう。
  神司は、その後それぞれの御獄での祈願に向かう。
4.10月22日(つちのとうし)
  ンガソウジといって、前日に蒔かれた種がしっかり土につくように、
  精進を尽くす日とされる。
  家の主がブマー・ブナルンガン(姉や叔母のこと)
  を招いてイイヤチ戴みの儀式などもある。
  芸能の稽古の総仕上げの日。
  午後8時から公民館役員、三郷友会長などがブドゥイドゥンや
  狂言ドゥンを訪ねて挨拶し奉納芸能の激励をする。
5.10月23日(かのえとら)
  バルヒルの願いの日、奉納余興初日。
  午前6時
  弥勒奉安殿には公民館役員、有志、三郷友会長などが弥勒興しの祈願。
  玻座間御獄では神司たちの祈願。
  その後、両者は世持御獄で合流し、バルヒルの願い、
  イバン取りの儀式がある。
  場所を奉納余興の舞台に移して、干鯛の儀式が行なわれる。
  8時前
  仲筋村の生盛主事宅へ参詣。
  9時頃
  世持御獄へもどる。
  午前8時頃
  全国竹富島文化協会主催の種子取祭に関する講話がまちなみ館
  で行われる。
  9時半頃
  庭の芸能奉納。棒術、太鼓、マミドー、ジッチュ、マサカイ、
  祝種子取、腕棒、馬乗者の順で行なわれる。
  10時半頃
  玻座間村の舞台の奉納芸能が行なわれる。
  その順序は、玻座間長者、弥勒、鍛冶工、組頭、世持、世曳狂言など。
  別途プログラムあり。曽我の夜襲で初日の芸能は終了する。
  17時半頃
  イバン戴みの儀式がある。それからユークイ(世乞い)
  が始まる。ユークイ(世乞い)は、種子取祭を始めた根原カンドゥ
  をまつる根原家から始まり、その後、三地区に別れてユークイが深夜
  まで行なわれる。西地区は、玻座間長者家、神司の家、館長宅
  それから各家々を回り最後は有田家。
  東地区は、宇根家、与那国家、神司の家、主事宅、その後に各家々を
  回り最後は宇根家。
  仲筋村は、仲筋長者家、神司家、主事宅、その後に各家々を回る。
  22時半頃
  石垣への臨時便あり。
6.10月24日(かのとう)。
  午前5時
  三地区に別れていたユークイの一団は、根原家で一つになって
  ユークイの留めを行なう。
  5時半頃
  世持御獄へ。イバンの返上を行ない、ユークイは総て終了。
  2日目のムイムイの願い。幸本フシンガーラの願い日とされ、
  それを祝して仲筋村のシドゥリャニが奉納される。
  その後、前日同様の干鯛の儀式があり、
  その後、東の大山主事宅へ参詣にあがる。
  9時頃
  世持御獄へもどる。9時半頃から、庭の奉納芸能(前日と同じ)がある。
  10時半頃
  仲筋村の舞台の奉納芸能が終日行なわれる。
  別途奉納芸能プログラムがある。
  仲筋村長者、弥勒、御主前狂言、種蒔い狂言、天人狂言などがあり、
  最後は鬼捕り。
  5時半頃、
  芸能の奉納はすべて終了。
  6時半頃
  石垣行臨時船便あり。
  執行部を中心に種子取祭首尾方の御礼
  (世持御獄、弥勒奉安殿)がある。
7.10月25日(みずのえたつ)。
  早朝から幕舎片付け。経理担当は、早朝から経理に当たる。
  午前10時頃から竹富公民館にて公民館役員・有志と三郷友会
  (石垣・沖縄・東京)との懇談会がある。支払い議会開催。
  夜は全国竹富島文化協会の総会が開催される。
8.10月26日(みずのとみ)。
  種子取祭ムヌンは現在、省略されている。

『八重山毎日新聞』2007.9.13 掲載

現在ゆがふ館のテードゥンギャラリーで開催中の、
酒井潮 初個展―LONG VACATION―」が好評です。
『八重山毎日新聞』(9/13)の「オーライ 172」欄でも、
大きく紹介されています。
これを読むと、あらためて酒井さんの人となりを知ることができ、
同時に作品の理解を助けてくれるかもしれません。
酒井さんは、流木や貝殻などを素材とした作品群を
「生まれこぼれた星クズ」たちにたとえています。
それらはギャラリーいっぱいにきらめき、
小宇宙を創出しています。
「酒井潮 初個展」は20日まで。(YI )

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祭事行事の季節

9月に入り、島もそわそわしてきました。
9月2日に古代の正月と云われる「節祭」を終え、
9月7日にはテードゥンムニ大会
9月8日には敬老会
9月15・16日には「結願祭」
9月18日にはニーランの神を迎える「世迎い」
9月25日には男性の祭と称される「十五夜」
翌月10月の17日からは「種子取祭」を迎えます。
こうしたなか、NPOたきどぅんでは事務局長をはじめとし
職員一同で世持御嶽の清掃活動を行ないました。

また、前日には島唯一の交通機関である「竹富島交通」
職員による清掃活動も行なわれています。
竹富島は亜熱帯地方に属し、植物の生育がとても速く、
除草作業が日々の日課といっても過言ではない地域です。
「種子取祭」奉納芸能舞台となる世持御嶽。
島人には祭の準備が少しずつ、着々と進められています。
(TA)

先進地白川郷視察にいってきました。

フィリップモリスジャパンから助成を受けて展開中の事業
「“どぅゆくい観光”による文化遺産の掘り起こし」。
この事業の一環として、
NPOたきどぅんから、事務局長・阿佐伊孫良、理事・新田長男、職員・飯田泰彦の3名が、9月4日から3泊4日で、
交通システム導入における先進地の岐阜県白川郷へ視察にいってきました。

展望台より白川郷荻町の合掌造り集落をのぞむ(5日)。
白川郷は、1995年の世界遺産に登録以後、集落景観の質を高め、
住民と同時に、観光客にも魅力的な環境を確保することに取り組み、
集落内の車両交通をコントロールする、新交通システムの導入について、
先進地だといえます。
視察の目的は、一般旅行者として白川郷を訪ね、
当地の観光の現状を鑑(かがみ)として、
竹富島の観光ににおける課題を映し出そうというもの。
5日は、荻町の和田家、神田家、明善寺などの観光スポットを中心に見学し、
合掌造り集落を散策しました。
また、「“>白川郷荻町集落の自然環境を守る会」会長・三島敏樹氏に
お話をうかがい、氏のはからいで、「>世界遺産白川郷合掌造り保存財団」を
訪ねることができました。
6日は、五箇山地域にある、菅沼集落と相倉集落まで足を延ばしました。
両集落は、白川郷荻町集落とともに世界遺産に登録されています。
菅沼集落は現在9戸の合掌造り家屋が残っています。
「五箇山民俗館」「塩硝の館」を見学し、
山村の歴史や民俗におもいを馳せました。
相倉集落は、毎年「相倉世界遺産保護少年団」が、
竹富島を訪ねて交流を深めている地域です。
今年は8月8日にゆがふ館に来館されました。
小学校を卒業するとき、ほとんどの子どもたちが
竹富島での思い出がもっとも心に残っていると言います。
うれしいことですね。
午後からは、“>トヨタ白川郷自然學校を訪れました。
充実した施設とプログラムにいたく感心しました。
宿泊した民宿のご主人や
「白川郷荻町集落の自然環境を守る会」に携わる方々、
「世界遺産白川郷合掌造り保存財団」の方々など、
それぞれ白川郷に対する熱いおもいをお持ちで、
会うべくして会ったという感を得ました。
そのおもいは、竹富島人の島に対するおもいに相通じ、
まちなみを保存していくうえで、心強く思いました。

酒井潮展。

さて、ゆがふ館のテードゥンギャラリーでは、
本日9月5日より、企画展を開催しております。
今回、初の個展となる“酒井潮さん”は、竹富島に住んで10年。
自ら営む、アクセサリーのお店“南潮庵”は、
島へ流れ着いた流木や木の実、
島に自生する植物の実などが素材となっています。
そして、素材を同じとする、酒井潮さんの作品。
まとめてのお披露目は今回初めて。
この、酒井潮さんの作品群は、
いわゆる「現代アート」に分類されるのでしょう。
現代アートは、目に見えるものや形を具体的に表現する手法ではなく、
内面的な精神性の抽象的な表現への挑戦。
「現代アート」というと、よくわからないものといわれますが、
そんなに難しく考える必要はないのです。
作品がわかる・わからないにこだわらず、
「なんだか楽しそう」「面白い」や好き嫌いなど、
感覚的なものと思って下さい。
前日のゆがふ館閉館後からは、
NPOたきどぅんスタッフとギャラリーの展示替え。

酒井潮さんが思い描いている展示のイメージがはっきりしていたので、
どの作品をどこに飾るかすぐ決まりました。

そこから、微調整を繰り返し展示替えは無事終了し、
本日公開となりました!
みなさま、是非、足をお運びになり、
竹富島の自然から“いただいた”ものを感じてみて下さい。
●酒井 潮 初個展 “ロングバケイション 竹富島の10年間”
●会期 2007.9.5~2007.9.30